子犬はどの犬種でも可愛く見えるのを、不思議に思ったことはありませんか。
東京にあるドッグランで唯一わたしが触れなかったジャーマン・シェパードも、子犬のころは目がクリクリして可愛いものです。
ヒトから見て子犬が可愛く見えるのは、実は犬の戦略だったことが最近の研究で発表されました。
アリゾナ州立大学ウィン教授らのグループが生まれたての子犬から成犬まで様々な犬種の写真を50人以上の人に、大量に見てもらい一番可愛く見える写真を選んでもらいました。
その結果は、どの人が選んだ写真も生後8週間程度の子犬だったということです。
犬の社会では母犬が子犬の世話をするのは、生後6~11週間まで。
それ以降は乳離れをして、自分が食べるものは自分で確保する必要に迫られます。
子犬としては自分の面倒をみてもらうためには身近にいる人間に頼らざるしかないので一番可愛い顔に進化したわけです。
人が世話をしないと、生後2年までに8割の子犬が亡くなるというデータもあります。
犬の先祖とされるオオカミは生後2年まで世話をすることを考えると大きな違いがありますね。
人になつきやすいオオカミを選んで交配させて、犬の原型ができたともいわれていますから人にとっても犬は大切なパートナーです。
可愛い子犬はどの世代の人間も世話をやきたくなるという、犬の戦略にまんまと乗せられているわけです。