アニマル/セラピー

dog-and-man 2015年10月

アニマルセラピー

脳梗塞で手足の動きが不自由になると動くことが嫌になり、病院でのリハビリを受けても改善する人は少ないようです。

リハビリを担当する理学療法士さんは症状を改善するお手伝いはできても、医者のように強要する権限はないので、自発的にリハビリに参加してもらうことに一番神経を使っています。

つまり、患者さん本人が「嫌」と言ったら、それ以上リハビリを続けることはできないんですね。

そこで登場するのが、アニマル・セラピーです。

主に犬が病院を慰問して患者さんと触れ合う時間を提供するもので、刺激の少ない入院生活の中で患者さんの笑顔や笑い声が広がる瞬間です。

普段はあまり動かない患者さんでも、犬が来ると何とか触ろうとして自発的に手を動かそうとするそうです。

しかし、治療に関しては科学的な根拠がなく、リクリエーションの一環としか考えられてきませんでした。

埼玉県にある北里大学メディカルセンターでは2014年からアニマルセラピーによる治療を試験的に導入しています。

延べ400人の患者さんに対してデータを取ったところ、「リハビリを自発的に行なうようになった」とか、「鎮痛剤の量が減った」という効果があったとのことです。

残念ながらアニマルセラピーに関する研究は進んでいるとはいえないので、同大学のようにきちんとした体制でデータ収集して、少しでも早く一つの分野として確立されるのを祈るばかりです。

もちろん良い点だけではなく、犬からの感染症やアレルギー対策、犬嫌いの患者さんに対するフォローなど課題もたくさんありそうです。

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